« 『遺跡学研究』第14号を刊行しました | トップページ | いせき cafe 37 名勝三保の松原(静岡市)の仮設ガイダンス施設 »

2018年4月 2日 (月)

いせき cafe 36 登呂遺跡(静岡市)の不燃性材料による竪穴住居復元

登呂遺跡では近年の発掘調査成果に基づいて再整備が行われ、竪穴
式住居4棟、祭殿1棟、高床倉庫2棟が復元されている。竪穴式住居の
復元では、各種の活動ができるように建築基準法に基づく建築物に認
定されることを目指したが、登呂遺跡は第一種住宅専用地域内にある
ため、屋根・外壁が不燃であることの条件をクリアできず、竪穴式住居
のうち3棟は屋外展示物扱いとなった。他の竪穴式住居1棟は恒常的
な体験的活用を実現するために、建築物となる方法を検討し、鉄骨造
GRC(Glassfiber Reinforced Cement、ガラス繊維強化セメント)パネル
貼り構造の建築物として建設された。GRCはFRP(Fiber-Reinforced
Plastics、繊維強化プラスチック)同様に遺構の型取り模型に用いられ
る材料である。
柱、桁、棟木は木材であるが屋根の荷重は受けないようになっており、
建物の骨組みは鉄骨である。一旦茅を葺いた後でシリコンを塗布して
型取りをし、雌型を作成した。これを用いてGRCで雄型を作成し、鉄骨
の骨組みに固定した。室内から見える垂木などもGRCで作成されてい
る。GRCのパネルの隙間はコーキング材を使って茅などの形状にして
いる。着色して仕上げられており、一見しただけではGRCだとはわから
ないほどの出来栄えである。屋根の外側の茅部分ではよくよく見ると
パネルとパネルの間の目地部分がわかる程度である。
内部で火を使っての調理体験などを行っているという。

参考文献 『特別史跡登呂遺跡再整備事業報告書』
静岡市教育委員会 2012




authored by 内田 和伸(奈良文化財研究所)


_

登呂遺跡復元建物群 右から2番目が不燃性の建築物

__2

不燃性の復元住居

_grc

GRCの屋根材 H30.3.1撮影


« 『遺跡学研究』第14号を刊行しました | トップページ | いせき cafe 37 名勝三保の松原(静岡市)の仮設ガイダンス施設 »

いせき café」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1705013/73224613

この記事へのトラックバック一覧です: いせき cafe 36 登呂遺跡(静岡市)の不燃性材料による竪穴住居復元:

« 『遺跡学研究』第14号を刊行しました | トップページ | いせき cafe 37 名勝三保の松原(静岡市)の仮設ガイダンス施設 »