2022年度大会のお知らせ
日本遺跡学会では下記の通り大会を実施いたします。
■期 日 2023年3月5日(日) 13~17時
■会 場 オンライン開催
(総会・大会ともオンラインにて開催します。)
■テーマ 「遺跡保護の多様なあり方を求めて」
文化財の確実な保存のため、特に重要な遺跡では、史跡指定とそれに伴う土地の公有化、整備が行われてきました。開発か保護かという戦後復興期に於いて、その方法が最善の策であったことは事実です。一方で、公有化により遺跡が地域から孤立し、地域の誇りや自信の源泉となりにくくなっているのではないでしょうか。
また、史跡指定の際は物的証拠に価値が置かれ、整備活用もその歴史的事象(価値のメインとなる時代)をもとに専門家によっておこなわれます。それは、戦前の思想的な歴史学に基づいて行われた史跡指定を教訓としていることを忘れてはいけません。ただ、そうした史跡のあり方には、もっといろいろな方法があるはずです。明日香村や肥前名護屋城の魅力は、ある一時代の姿に復元された姿ではなく、そこへ行って感じる想像力のふくらみにあるのではないでしょうか。
いつからか、多くの史跡で、土地の公有化と遺跡の歴史的事象以外の要素の排除、そして物的なかたちとして示す整備が、一律に行われるようになっています。整備として何かをつくらないと文化財の保存・活用とならないのか、活用という言葉が、何か脅迫的に受け止められているところもあるのではないでしょうか。公共の予算はこれからますます縮小し、ボランタリーに関わってきた地域社会も縮小する中で、今までと同じ方法での史跡の保護は限界に来ているように思います。
そこで、日本遺跡学会が20周年を迎える今大会は、「遺跡保護の多様なあり方を求めて」をテーマに開催します。なぜ史跡のあり方は画一的になったのか、公有化以外に遺跡の守り方にはどのような方法が考えられるのか、日本各地での実践をもとに率直な議論を行いたいと思います。
■プログラム
12:45 受付開始
13:00~13:05 開会挨拶 坂井 秀弥(大阪府文化財センター)
13:05~13:10 趣旨説明 惠谷 浩子(奈良文化財研究所)
13:10~13:40 〔報告1〕 多賀城の事例
白崎 恵介(宮城県多賀城跡調査研究所)
13:40~14:10 〔報告2〕 大宰府の事例
入佐 友一郎(九州歴史資料館)
14:10~14:20 休憩
14:20~14:50 〔報告3〕 明日香村の事例
相原 嘉之(奈良大学)
14:50~15:20 〔報告4〕 宇治市の事例
杉本 宏(京都芸術大学)
15:20~15:30 休憩
15:30~17:00 〔座談会〕 報告者4名+
コーディネーター 坂井 秀弥(大阪府文化財センター)
コメンテーター 増渕 徹(京都橘大学)
城戸 康利(太宰府市文化ふれあい館)
■申込方法
総会・大会参加には、下記URLから事前申し込みが必要です。
後日、参加に必要なWEB会議のURL、ID、PWをご連絡します。
申し込みURL:
※会員の皆様へ
2022年度の総会は大会の前、11:30~12:00に同じくオンラインで実施します。
ご参加いただけます方は、上記大会参加申込フォームで「総会」を選択ください。
欠席の場合は、別途郵送しますハガキにて委任状の提出にご協力ください。